紹介状なしで大きな病院を受診したら、予想以上の費用を請求されて驚いたことはありませんか?
その追加料金の正体が「選定療養費」です。
選定療養費は、通常の医療費とは別に発生する費用で、
- 紹介状なしで大病院を受診した場合
- 個室を希望した場合
- 時間外に任意受診した場合
などにかかります。
さらに重要なのは、高額療養費制度の対象外であることです。
知らないまま受診すると、数千円から数万円の負担になることもあります。
この記事では、選定療養費の仕組みや差額ベッド代との違い、無駄な出費を防ぐポイントを医療ソーシャルワーカーの視点でわかりやすく解説します。
結論
選定療養費とは、
保険診療と併せて患者が追加で負担する費用の総称です。

特に覚えておきたいポイントは次の3つ。
- 紹介状なしで大病院を受診すると初診時選定療養費がかかる
- 個室を希望すると差額ベッド代が発生する
- 時間外や休日に任意で受診すると追加料金がかかる場合がある
これらの費用は高額療養費制度の対象外であり、支払ったお金は原則戻ってきません。
① 初診時選定療養費・時間外選定療養費|紹介状なしで大病院を受診した場合などに発生

多くの方が遭遇しやすいのが初診時選定療養費です。
他院からの紹介状を持たず、紹介受診重点医療機関 および 特定機能病院などの大病院を受診すると発生します。
一般的な費用の目安は、
- 初診:7,000円以上
- 再診:3,000円以上
ですが、実際の金額は病院ごとに異なり、1万円を超えるケースも珍しくありません。
医療保険の対象外なので、10割負担になります。
導入された背景は?
背景には、大病院への患者集中があります。
本来、大病院は重症患者や高度な医療が必要な患者を診る役割があります。
しかし過去において、重症のみならず、軽症患者までが大病院へ集中。大病院が軽症患者の対応に追われ、本来対応するべき重症患者の治療が出来なくなる事態が発生しました。
これを重く見た国が対策を検討。
- 軽症なら地域のクリニックへ
- 重症なら大病院へ
初診時選定療養費を導入することによって、役割分担を明確に設定。
患者さんとしても、クリニックを受診するメリットが生じたという訳です。
一部の選定療養費がかからないケース
以下の場合は選定療養費が発生しないことが一般的です。
- 紹介状を持参して受診する(初診の場合)
- 救急車で搬送される
- 医師から継続受診を指示されている(医師の指示で再診の予約あり)
- 生活保護などの公費医療を利用している
- 労災や公務災害による受診 など
不安な場合は、事前に病院へ確認しておくと安心です。
安いお金ではないので、安易な思い込みは厳禁です
② 差額ベッド代

差額ベッド代とは、患者さん自身が個室や特別室、有料多床室を希望した場合に発生する料金です。
料金は一定の範囲はあれど、病院が自由に設定できます。
部屋代が全国共通ではないことは覚えておきましょう。
病院によっては、個室代だけで1日1万円以上の金額になることもあります。
個室以上の特別室になると、それ以上の料金になることも珍しくありません。
入院が長引けば、差額ベッド代だけで数十万円の負担になることもあるため注意が必要です。
多床室であれば必ず無料というわけではありません。2人部屋、4人部屋でも、設備などによっては料金がかかる場合があります。
差額ベッド代を請求できないケース
次の場合、費用負担は不要です。
- 多床室を希望したが空きがなかった。空くまでの間だけ個室にと病院に言われた。
- 医療上の必要性から個室管理となった。
- 差額ベッド代の同意書に署名していない。
差額ベッド代が生じる部屋に入院した。それは、
患者・家族の希望 or 病院側の都合 どちらか?
ということです。
患者or家族が希望・・・差額ベッド代 有り
病院側の都合・・・差額ベッド代 無し
上記の認識を持っておきましょう。
差額ベッド代が生じるのは、あくまで「患者・家族の希望」の場合のみです。
また、差額ベッド代が生じる部屋へ入院する場合、その費用に対する同意書を求められます。
この同意書は超重要です。
しっかり読んでください。他の書類と一緒に、何となくサインしないでください。
署名すると「希望した」と判断される材料になります。あくどい病院でなければ、署名の前に必ず説明があります。部屋代に関する書類の場合、本当に「希望している」のかを確認してから記載しましょう。
③無駄な出費を防ぐための3つのポイント

① 初診時、紹介状を持参する
最も効果的な方法かつ、間違いがない方法です。
紹介状作成費用は数百円程度で済むことが多く、選定療養費を回避できます。
② 差額ベッド代の同意書をよく読む
説明を受けたら必ず内容を確認しましょう。
わからない場合は遠慮なく質問することが大切です。
特に、「希望せずに差額ベッド代が生じる部屋」へ入院する場合は、強く意識してください。
!安易なサインはダメ!!
③ 病院へ事前確認する
- 紹介状なしの場合の料金
- 差額ベッド代
- 時間外受診時の追加料金
上記は病院ごとに異なります。
ホームページや電話で確認しておきましょう。
受診してから、サインしてからの返金要求はハードルがとても高くなります。
事前の確認を徹底してください。
よくある質問
Q. 選定療養費は高額療養費制度の対象ですか?
対象外です。どれだけ支払っても払い戻しはありません。
高額療養費どころから、医療保険の対象外です。10割負担です。
Q. 紹介状があれば必ず無料ですか?
原則として初診時選定療養費はかかりません。
差額ベッド代に紹介状は関係ありません。
Q. 再診でも選定療養費がかかりますか?
かからない:大病院の医師が「〇〇週間後に受診してください」とした場合
かかる:大病院の医師が他院へ紹介状を発行。その病院を受診せずに、本人の意思で大病院を受診した場合。
再診の場合、病院へ確認しましょう。
医師に「受診に来てください」と言われたら大丈夫。
「来なくて良いですよ」と言われたのに受診したら発生します。
まとめ
選定療養費:患者さんが希望した特別なサービスに対して発生する自己負担の料金です。
- 紹介状なしで大病院を受診すると初診時選定療養費
- 個室を希望すると差額ベッド代
これらはすべて高額療養費制度の対象外です。
無駄な出費を防ぐためにも、
- 紹介状を持参する
- 同意書をよく確認する
- 事前に病院へ問い合わせる
この3つを意識して受診しましょう。
知らなかっただけで数千円から数万円の差が出ることもあります。医療制度を正しく理解し、安心して受診できるよう備えておきましょう。
ここにお金をかけなくても良いです。
元気になった後、そのお金で美味しいものを食べに行きましょう!
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