認定調査・主治医意見書・家族が伝えるべきポイントを解説【第2回】
こんな疑問はありませんか?
- 認定調査では何を聞かれるの?
- 主治医意見書ってどれくらい重要?
- 家族は調査に同席した方がいい?
- 実際より軽く判定されることはある?
介護保険サービスを利用するためには「要介護認定」が必要です。
しかし、認定結果がどのように決まるのかは意外と知られていません。
この記事では医療ソーシャルワーカーの視点から、認定調査で見られるポイントや主治医意見書の役割、家族が気を付けたいポイントについてわかりやすく解説します。

この記事の結論
要介護認定を決める重要な要素は次の2つです。
- 認定調査
- 主治医意見書
認定調査では調査員が本人や家族へ聞き取りを行います。
また、主治医意見書では病状や医療的な視点から介護の必要性が評価されます。
認定結果を適切なものにするためには、家族が普段の様子を正確に伝えることが大切です。
申請から認定までの流れ
申請
↓
認定調査・主治医意見書
↓
一次判定
↓
介護認定審査会
↓
認定結果
要介護認定の等級はどう決まる?
介護保険の認定区分は、非該当を除くと次のように分かれています。
- 要支援1・2
- 要介護1~5
認定区分によって利用できるサービスが異なります。
例えば、
- 要介護3以上で特別養護老人ホームへの申込みが可能(特例あり)
- 要介護2以上で介護ベッドや車いすなどの福祉用具貸与の対象となる場合がある(特例あり)
このように認定区分は、利用できるサービスに大きく影響します。
その判断材料となるのが「認定調査」と「主治医意見書」です。
① 認定調査では何を聞かれる?

認定調査にかかる時間は30分〜1時間程度です。
調査員は主に次の7項目を確認します。
① 身体機能
- 麻痺や拘縮
- 寝返り
- 起き上がり
- 座位保持
- 立ち上がり
- 歩行
- 視力や聴力
② 生活機能
- 食事
- 排泄
- 歯磨き
- 洗顔
- 更衣
- 外出
③ 認知機能
- 名前や生年月日が言えるか
- 季節や場所が分かるか
- 徘徊の有無
④ 精神・行動面
- 被害妄想
- 感情の不安定さ
- 同じ話を繰り返す
⑤ 社会生活
- 服薬管理
- 金銭管理
- 買い物
- 簡単な調理
⑥ 特別な医療
- 点滴
- 透析
- 酸素療法
- 経管栄養
- 気管切開
⑦ 日常生活自立度
身体面・認知面の自立度を評価します。
これらについて調査員が本人へ直接聞き取りを行います。
② 認定調査に家族は同席した方がいい?
家族の同席は可能
認定調査は本人だけでも受けられますが、希望すれば家族も同席できます。
判断のポイントは本人の認知機能
本当はできていないのに、調査員の前では
「できます」
と答えてしまうケースがあります。
介護現場では珍しいことではありません。
高齢者の中には、
- 自分ができていないことに気付いていない
- できないことを知られたくない
- とりあえず「できる」と答えてしまう
というケースがあります。
認知症がある場合は、実際には介助が必要でも「自分で出来る」と認識していることがあります。
また認知症がなくても、
「できないと思われたくない」
という気持ちから、実際より「良く」答えてしまうことがあります。
家族が同席する意味

家族の役割はシンプルです。
「普段の様子を正確に伝えること」です。
認定調査で大切なのは、事実を過不足なく伝えることです。
本人だけでは伝えきれない部分を家族が補うことで、より実態に近い評価につながります。
同席しなくても問題ないケース
- 入院中
- 施設入所中
上記のように、看護師や介護職員などが日頃の様子を正確に伝えられる場合です。
病院や施設では日々の記録をもとに情報提供が行われるため、家族が同席しなくても問題ないケースが多いと言えます。
MSW現場コラム
認定調査の日だけ頑張る。普段より良く見せようとする方は少なくありません。
しかし認定調査で大切なのは「今日できるか」ではなく、「普段どの程度の介助が必要か」です。
家族は遠慮せず、日常生活で困っていることを調査員へ伝えましょう。
③ 主治医意見書
主治医意見書は、本人の病状に最も詳しい「かかりつけ医」が記載する書類です。
医師以外が記入することはできません。
申請書には「かかりつけ医」を記載する欄がありますので、忘れずに記入しましょう。
かかりつけ医がいる場合
申請前に医師へ介護保険を申請することを伝えておきましょう。
その際に、
- 転倒が増えた
- 買い物に行けない
- 薬の管理が難しい
- 一人で外出できない
など、介護保険を申請するに至った経緯も伝えておくとスムーズです。
かかりつけ医がいない場合
「昔受診した病院を書いておこう」
これは避けましょう。
定期的に受診していない場合、主治医意見書の作成を断られることがあります。
その場合は、地域包括支援センターへ相談しましょう。
主治医意見書作成のために受診できる医療機関を案内してもらえます。
その医療機関で診察を受ければ、かかりつけ医がいない場合でも介護保険の申請は可能です。
現場で学んだ注意点4選
① 調査の訪問先は正確に伝える
入院中なのに自宅で調査する予定になっていた。
退院したのに病院で調査する予定になっていた。
これらは実際によくあるケースです。
申請時に書いた訪問先から変更がある場合は必ず連絡しましょう。
② 申請後は郵便物を確認する
申請後は複数回通知が届きます。
- 申請を受理しました
- 認定結果が遅れます
- 認定が出ました
計3回の通知が届きます。
制度上は30日以内に結果が出ることになっていますが、30日で通知が届くことは、私が知る限り1度もありません。
延期通知が届いても、全く慌てる必要はありません。皆に届いています。
ただし、延期通知に「主治医意見書の提出待ち」と記載されている場合は、病院へ確認してみましょう。医師の記載が遅れているのであれば、急いでください!とお願いしても良いと思います。
③ 負担割合証が先に届く
認定結果より先に負担割合証が届きます。
結果通知とは別に届くため「これが介護保険の結果?」と混乱する方も少なくありません。
これとは別に結果が届きますので、混同しないようにしましょう。
負担割合証も後々、とても重要になるので間違えて捨てないように!
④ 主治医意見書の作成には時間がかかることがある
医師によって作成スピードは異なります。
届いたらすぐに書く。毎週〇〇曜日に纏めて書く。事務職から急かされたら書く。
医師の診断書に関わるスタイルは色々あります。
病院の事務職は、なるべく早く書いて貰えるように手を尽くしますが、時間がかかる場合があります。遅くなると結果通知が遅れる原因になります。

次回予告
ここまで介護保険申請から認定までの流れを説明してきました。
次回は、認定後に介護保険サービスを利用するまでの流れについて解説します。
- ケアマネジャーの探し方
- サービス利用開始までの流れ
- 利用できる介護保険サービス
について、医療ソーシャルワーカーの視点でわかりやすくお伝えします。





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