「紹介状を持たずに大きな病院を受診したら、通常の医療費とは別に費用を請求された」
そんな経験はありませんか?
その費用は、初診時選定療養費かもしれません。
初診時選定療養費は、一定の病院を紹介状なしで初めて受診した場合などに、通常の診療費とは別にかかる費用です。
この記事では、初診時選定療養費の仕組みや対象となる病院、費用の目安、徴収されないケース、受診前に確認しておきたいことを分かりやすく解説します。
結論|紹介状なしで大病院を受診すると、追加費用がかかる場合がある
初診時選定療養費について、まず覚えておきたいポイントは次の5つです。
- 紹介状なしで対象病院を初診受診すると、追加費用がかかる場合がある
- 医科の初診は7,000円以上、歯科の初診は5,000円以上が制度上の最低額
- 200床以上の病院が対象だが、徴収対象にならない病院もある
- 救急患者など、制度上、徴収対象外となる場合がある
- 受診前に病院のホームページや窓口で確認すると、予想外の出費を防ぎやすい
※金額は制度上の最低額です。実際の徴収額は医療機関によって異なります。
1. 初診時選定療養費とは何か?
初診時選定療養費とは、一定の病院を紹介状なしで初診受診した場合などに、通常の診療費とは別に患者さんが負担する費用です。
制度の背景には、地域の医療機関がそれぞれの役割を担い、連携するという考え方があります。
大きな病院は、専門的な治療や高度な医療を提供する役割を担っています。一方、日常的な体調不良や継続的な診療は、地域の診療所やかかりつけ医を受診することが推奨されています。
こうした役割分担を進めるため、一定の病院では、紹介状を持たずに初診を受ける患者さんに、通常の医療費とは別の料金を求める仕組みがあります。
初診時選定療養費は、このような医療機関の役割分担を促すための制度です。

通常の診療費とは別に支払う
例えば、医科の初診時選定療養費が7,700円の病院を受診した場合、通常の診療費の自己負担に加えて、7,700円を支払うことになります。
これは、病院が独自に設定する料金ですが、制度上、対象となる病院や最低額などが定められています。
この金額は全額自己負担です。仮に7700円の選定療養費がかかる場合、保険が1割でも3割でも、負担する金額は7700円です。
2. いくらかかる?初診時選定療養費の金額
初診時選定療養費には、制度上の最低額が定められています。

最低額は決まっていますが、実際の金額は、病院ごとに設定しています。
病院によっては10,000円以上に設定している場合があるため、事前に確認しておきましょう。
再診時にも費用がかかる場合がある
初診だけでなく、病院によっては再診時にも選定療養費がかかる場合があります。
制度上の最低額は、次のとおりです。
| 区分 | 制度上の最低額 |
|---|---|
| 医科の再診 | 3,000円以上 |
| 歯科の再診 | 1,900円以上 |
対象となるのは、病院から他の医療機関への紹介を受けたにもかかわらず、患者さんがその後も紹介状なしで同じ大病院を受診する場合などです。
ただし、再診時の徴収にも対象となる条件があります。すべての再診で必ずかかるわけではありません。
3. 200床以上の病院なら、必ずかかる?
200床以上という病床数だけで、初診時選定療養費が必ずかかるとは限りません。
ここは、特に誤解しやすいポイントです。
初診時選定療養費の徴収が義務付けられている主な病院は、次のとおりです。
- 特定機能病院
- 一般病床が200床以上の地域医療支援病院
- 一般病床が200床以上の紹介受診重点医療機関
一方、これらに該当しない一般病床200床以上の病院でも、制度に基づいて初診時選定療養費を徴収している場合があります。
「200床以上かどうか」だけでなく、「どの種類の病院か」「その病院が費用を徴収しているか」を確認することが大切です。
4. 紹介状がなくても、費用がかからない場合はある?
紹介状がなくても、初診時選定療養費がかからない場合があります。
例えば、次のようなケースです。
- 他の医療機関から紹介状を持って受診した場合
- 救急の患者として受診した場合
- 同じ病院の別の診療科から紹介されて受診した場合
- 健康診断やがん検診の結果、精密検査を勧められて受診した場合
- 救急医療や周産期医療などで、休日・夜間に受診した場合
- 外来受診後、そのまま入院した場合
- 地域にほかの医療機関がなく、その病院が特定の診療科の外来を実質的に担っている場合
- 労災、公務災害、交通事故、自費診療などで受診した場合
- 災害による被害を受けて受診した場合
救急患者など、緊急の受診が必要な場合
救急患者など、緊急やむを得ない事情で受診した場合は、初診時選定療養費の対象外となることがあります。
しかし、救急受診=対象外ではないことは、必ず覚えておいてください。
次のようなケースでは必要になる可能性があります。
軽い症状で救急車を利用し、医師が緊急性の低い受診と判断した場合(例:軽い擦り傷や、緊急性が低いと判断された体調不良)で救急搬送。入院せず帰宅した場合。
急を要しない症状で、夜間や休日に自分の都合で受診した場合(例:日中に受診できる症状だが、仕事などの都合で夜間に大病院の救急外来を受診)。
救急外来を利用した=初診時選定療養費が絶対にかからないという訳ではありません。受診時の症状や緊急性などを踏まえて判断されます。
その他、制度上の対象外となる場合
患者さんの状況によっては、制度上、徴収対象外となる場合があります。
例えば、特定の公費負担医療の対象者や、健診後の精密検査として受診する場合など、所定の条件に該当するケースがあります。
ただし、対象となる制度や受診状況には条件があるため、「公費負担医療を利用している」「健診後に受診する」という理由だけで、必ず徴収されないとは限りません。
具体的な取り扱いは、受診先の病院に確認しましょう。
5. 初診時選定療養費を避けるには?
① まず地域のクリニックやかかりつけ医に相談する
体調不良や一般的な症状であれば、まず地域のクリニックやかかりつけ医に相談してみましょう。
必要に応じて、専門的な診療ができる病院を紹介してもらえます。
その際は必ず紹介状を発行して貰いましょう。
紹介状を持って受診することで、基本的に初診時選定療養費の負担は避けられます。
また、紹介状には診療情報が記載されるため、受診先の医師がこれまでの経過を把握しやすくなります。
② 受診前に病院のホームページを確認する
受診先の病院が初診時選定療養費を徴収しているかどうか、また、その金額はいくらかを確認しておきましょう。
病院のホームページには、次のような情報が掲載されていることがあります。
- 紹介状が必要かどうか
- 初診時選定療養費の金額
- 徴収対象となる患者さん
- 徴収対象外となる場合
- 受診前に必要な手続き
ホームページだけでは分からない場合は、病院の外来窓口などに問い合わせてみましょう。
病院側も金銭トラブルは望んでいませんので、快く教えてくれるはずです。
6. 初診時選定療養費は高額療養費制度の対象になる?
初診時選定療養費は、通常の保険診療とは別に患者さんが負担する費用です。
そのため、初診時選定療養費そのものは、高額療養費制度の対象にはなりません。
高額療養費制度は、健康保険が適用される医療費の自己負担が一定額を超えた場合に、負担を軽減する制度です。
初診時選定療養費は、保険診療に対する自己負担とは別の費用であるため、高額療養費の計算には含まれません。
大事なことなので2回書きますが全額自己負担です。仮に7700円の選定療養費がかかる場合、保険が1割でも3割でも、負担する金額は7700円です。
「1割だから770円か。それなら紹介状無しでも良いから受診しよう」
そう思って受診すると、その10倍の料金が請求されます。必ず気を付けましょう。
まとめ|受診前に病院と費用を確認しておこう

覚えておきたいポイントは、次のとおりです。
- 医科の初診は7,000円以上、歯科の初診は5,000円以上が制度上の最低額
- 200床以上の病院でも、すべてが徴収対象とは限らない
- 救急患者など、制度上、徴収対象外となる場合がある
- 紹介状を持って受診すると、費用の負担を避けられる場合がある
- 受診前に病院のホームページや窓口で確認しておく
病院を受診する際は、病気や症状への対応が最も大切です。
そのうえで、初診時選定療養費についても事前に確認し、安心して受診できるように準備しておきましょう。
参考情報
※制度や徴収額は変更される場合があります。受診前に、最新の制度情報と受診先医療機関の案内を確認してください。



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